トップ | → | 中東イスラム世界への扉 | → |
2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会まで1年を切った。大会では、普段目にする機会の少ない競技を観戦することはもちろん、出場している他の国や地域に思いをはせることもまた、面白さの一つであろう。 | |||
| |||
長友選手も在籍するスュペル・リグ
| |||
女子選手権で優勝している(3位もトルコのチーム)。 バスケットボールも海外でプレーする選手も少なくない。エネス・カンテル選手はジュニア時代から頭角を現し、2011年にはNBAドラフト全体3位指名を受け、現在はボストン・セルティクスに所属している。 ウェイトリフティングではオリンピック3連覇を果たし、「ポケットヘラクレス」というあだ名で親しまれたナイム・スレイマンオール(1967〜2017)が有名で、彼の半生を描いた映画がこの秋、トルコ国内で公開の予定である。 伝統競技としてオイルレスリングが盛んであり、オリンピック・パラリンピックでもレスリングでは数多くのメダルを獲得している。 最近では、水泳、アーチェリー、柔道、テコンドーなどの世界大会における好成績も頻繁に報道されている。 | |||
実績を上げるパラスポーツ
| |||
| |||
長期ビジョンに基づいたパラスポーツ政策 | |||
トルコのパラスポーツの躍進には、国の政策も大いに関係していると考えられる。スポーツを管轄する「青年とスポーツ省」が作成した報告書において、スポーツは障害者の社会参加や人生の質の向上を実現するために有効な手段の一つと位置付けられている。そしてスポーツ施設を障害者に適した状態にすること、障害者のスポーツパフォーマンスを向上させること、教育機関において障害者のための活動を行うこと、スポーツを通じた障害者のリハビリテーションを実施すること、を大きな目標としている。これらを実現するために、青年とスポーツ省、保健省、教育省などの国家機関に加えて、地方自治体、大学、スポーツ連盟、NGOといった幅広い分野の関係機関が連携することが謳われている4。 このように、スポーツをすべての障害者にとって有益なものとし、同時に社会全体でサポートしていこうという基本方針があるようだ。試合で良い結果を出せばよい、有力な選手だけを育成すればよいといったような、近視眼的な考えに基づくものではない。 東京大会では、多くのトルコ選手の活躍を見たいものである。 | |||
1 https://www.tampere2019.fi/en/tampere2019-en/10-uutinen/7343-final-medal-table-of-the-european-championships 2 http://ladyradio.web.tr/tr/news/gh 3 https://www.paralympic.org/turkey 4 ULUSAL GENÇLİK VE SPOR POLİTİKASI BELGESİ http://www.gsb.gov.tr/public/edit/files/Mevzuat/ulusal_genclik_ve_spor_politikasi.pdf |