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〜もくじ〜
 
はじめに(気になった一枚の写真)
1.クルド人とは
2.アラブの春以前と直後のシリアのクルド人
 (1)アラブの春以前にシリアのクルド人が置かれた過酷な状況
 (2)アラブの春をうけたアサド政権のクルドへの対応
3.シリアのクルドが実現を目指す政治的願望の内容
 (1)民主連邦制(Democratic Confederalism)
 (2)Rojava/cantonを仕切るTEV-DEMの「社会契約憲章」
 (3)Rojava/北部シリアの民主連邦統治宣言(2016年3月17日)
 (4)シリア政権側の法体系
4.Rojava/canton の課題
 (1)Rojavaの経済封鎖
 (2)Rojavaへの国際的な支持・認知の確保
5.シリアのクルドが政治的願望の実現を目指す際の選択肢
 (1)選択肢1 クルド独立国家建設
 (2)選択肢2 Rojava/北部シリアにおける民主連邦統治機構立ち上げ
 (3)選択肢3 アサド政権との交渉による現行TEV-DEMに近い限定的なマルチ・エスニックな自治統治の実現
6.アサド政権とクルド人が交渉する際の土俵と争点
7.選択肢3(限定的な自治)実現に向けても不透明な要素
8.関係国の思惑と政治的展望
9.むすびにかえて
 
参考1用語集
参考2YPGのISとの戦いの軌跡(出所:YPG公式サイト紹介文)
参考3Kurdish National Council(KNC)傘下の組織
参考4トルコ・シリア間のアダナ合意(1998年10月20日署名)
参考文献
 

当研究会の八木による出版物をご紹介申し上げます。

要旨は下記の通りです。

【国をもたない世界最大の民族ともいわれるクルド人は、主としてシリア、トルコ、イラク、イランの国境で分断され居住し、長らくそれぞれの中央政権側から疎外、あるいは抑圧されてきた。 シリアのクルド人もアラブの春まではアサド政権下でその権利を否定されてきた。 アラブの春で、反体制派を分断する必要に迫られたアサド政権は、クルド人に市民権を付与し、軍事的に対峙しないことを条件にシリア北東部の管轄権を事実上クルドに委ねた。 この機会を利用し、クルド人は、TEV-DEM(民主的社会実現に向けての運動)と呼ばれる自治統治をシリア北部の3つのcanton(アフリン、コバニ、ジャジーラ)で暫定的に開始した。 この間、TEV-DEMを仕切るクルド人の政党であるクルド民主統一党(PYD)の軍事部門クルド人民防衛隊(YPG)は、有志連合のISIS掃討作戦に参加し、自らの血をもってIS支配地の解放に貢献してきた。 しかしながら、トルコは、PYD/YPGをトルコがテロ組織とみなすクルド労働者党(PKK)と同根のテロ組織とみなして攻撃の手を緩めていない。
本稿は、ISがシリア国内で築いてきた各拠点から敗走し、シリア内戦におけるアサド政権側の優位がほぼ揺るがない状況になってきた段階で、シリアのクルド人が抱いてきた政治的願望がどのレベルで達成できそうかを、クルド人が採択した政治文書とクルド人を取り巻く政治・軍事情勢を踏まえ、分析する。 】






















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